最後までお読みいただき、ありがとうございます。
思い込みとか誤解とか、ほんのちょっとのことでこじれる怖さってありますよね。
時には意地をはることも大切かもしれませんが、自分が望む形かあるのなら、意地をはらない勇気も必要なんじゃないのかな。なんてことを思ってみたり。
実現するのは結構大変なこととは思いますが;
白露庵で美味しい珈琲に出逢って飲めるようになった柚乃ですが、実は私の実体験だったりします。その珈琲に出逢うまでは飲みたいとも思わなかった代物でした。
今ではすすんで「飲みたい!」と思うようになるのですから、大人になったもんです(笑
妹に甘い兄。という設定が好きです。(流転でがっつりやってますが)
番外編ではそんな話も書いていきたいです。
感想(一言投げ文歓迎!)や誤字・脱字のご指摘等ありましたら、メッセージお待ちしております。
ありがとうございました!
●2012.11.11●
こぼれ話。*クリック開閉*
「護身術とか習った方がいいのかなぁ」
珍しく暇な白露庵でカウンター席に座る柚乃は、おぼんを胸に抱えた格好でぼんやりと呟く。
グラスを磨く隆人も、指定席にいる真木瀬も、珈琲を楽しんでいた朔も、ふきんを手にした唖津も、瞠目の表情で柚乃を一斉に見遣った。
「どうしたの、急に」
相変わらずの耳聡さで調理場から顔だけ覘かせた伊吹の目は好奇心で楽しげだ。
呟きを拾われていたことに驚き、思っていたより音量が大きかったことに気づかされ、柚乃は顔を赤くした。
「い、いえ。その、前に同じ歳くらいの子に助けてもらったじゃないですか。あんな風になれたらいいなって、思いまして」
恥ずかしげに声が後半になるにつれ小さくなっていった。なんだそんなことか、と隆人はにんまりする。
「簡単だ。男なんてな、急所を一発蹴りあげときゃ動けなくなる」
「け、蹴りあげる、ですか」柚乃は小首を傾げた。
そんな柚乃は見たくねぇ!――なんていう隆人以外の男共の心境が声に上がることはなかった。
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